先輩メシ


目次
Specialダイジェスト
第1話:「先輩メシ」は、こうして生まれた。
第2話:COMING SOON
第3話:COMING SOON
第4話:COMING SOON

Specialダイジェスト

記念すべき第一回目は、コピーライター・阿部広太郎先輩をゲストにお迎えしました。テーマはズバリ、「20代の頃、先輩から教わったすべて」。誰しもが経験する20代特有の悩みを通して、先輩からもらった10の言葉を教えていただきました。阿部さんにとっての"先輩"や、阿部さんが20代の頃にぶち当たった壁は、一体どのようなものだったのでしょうか。熱々の豚汁をすすりながら、ライターの戸谷(とや)が心に残ったエピソードをいくつかご紹介します。


先輩とは、"未知の人"。

阿部さんにとっての先輩とは、"未知の人"。年齢や年次、立場ではなく、自分の知らないことを知っている人。年齢のプライドは持っておかない方が得られるものが多い。

"好き"を仕事にしたいなら、自分の可能性を信じること。

新卒で人事局に配属された阿部さんは、上司から無理だと言われながらも社内のクリエイティブ試験に挑戦し、コピーライターになった。「好きなことを仕事にしたい」と思ったら、自ら行動を起こして状況を変えていくことが大切。ヘタクソでもいいから、「できるかできないかじゃなくて、やりたいかやりたくないか」を軸に自分の可能性を信じて突き進んだ結果、コピーライターになれた。

苦しいときは、自分を支える根っこをのばす時間。

がむしゃらに働いていてもコピーは書けない、自分の案で企画が進むことなんてほとんどない。プライベートもうまくいかない。そんな逆境の連続だった20代中盤の頃、師匠に言われたのが、「よかったな。またコピーうまくなるな」という言葉。うまくいかないと人生について考える時間が増えるから、心のひだも増える。ひだが増えると、コピーがうまくなるとのこと。「成長は上にのびていく時間で、逆境は下に成長していく時間。逆境に立ち向かっていくと考えられるようになって、しばらくしてTCC新人賞を獲得した。

誰かと比べるのではなく、自分は何のために働いているのかを考える。

仕事が充実してきた毎日の中で、ふと働く意味について考えた。決められたレールの上で仕事をもらうのを待つ自分。賞を穫れそうな案件か、仕事を選り好みする自分。「一人の人間として、何のために生きて働きたいか」を考えて、仕事と向き合うことが大切なのかもしれないと気づいた。

こころの中に師匠を作ろう。

会いにいったり、その人の書いた本を読んだりすることで、こころの中に師匠ができる。箭内道彦さんの「広告とは応援である」という言葉や、小山薫堂さんの「勝手にテコ入れする」という言葉に影響を受けた阿部さんは、彼らの本をすべて読んだ後、自分の行動につなげていった。

コピーを半径3メートル社会に。

自分が出会う人やモノに対して、何かできることをしようと意識を変えた。とにかく勝手に企画書を作って人に会い、一つひとつカタチにしていく。居酒屋・甘太郎の太郎割など、その地道な活動が思わぬ仕事につながったこともあった。

自問自答の数が、その人の言葉の濃さになる。

"なぜ、どうして、それをやるのか"と毎回問いを投げかけながら、答えを育てていくことが大事。評論しがちだけど、物事を真裏から見て言語化しておくほうが大切だ。

人を動かすのは、技術じゃなくて、たぶん温度だ。

愚痴を言っていても何も解決しないから、「上層部に言いたいことがあるなら、提案にする 。」本気の言葉であれば、無視されない。たとえば、阿部さんは社長に手紙を書いたことがあった。結局その手紙を出すことはなかったが、そのときに親身になって相談に乗ってくれた局長と、いつでも気軽に相談にできる間柄になれた。のちに「先輩から後輩へ伝えたかったこと。」という記事を書いたときには、局長から「人を動かすのは、技術じゃなくて、たぶん温度だ。」という言葉をもらい、血の通った仕事をきちんとしなければならないと、決意を新たにした。

「待っていても、はじまらない。」という言葉どおり、常識や習慣に囚われずに、型を破って自らのレールを作っていった阿部さん。その仕事への向き合い方、生き方そのものが、私にとっても自身を振り返る機会になりました。「もっと詳しく阿部さんについて知りたい!」という方は、著書をぜひ手に取っていただければと思います。

ライター:戸谷 早織

つぎは
第1話:「先輩メシ」は、こうして生まれた。